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misskeyobjectstorage.md

File metadata and controls

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環境

うちは複数台のサーバーでMisskeyのアプリケーションを実行しています。

通常1台のサーバーだと思いますのでそれ向けの内容で書きます。

複数台で運用される方はちょっと工夫してみてください。

OS:Fedora 36, Debian bullseye, Ubuntu 22.04

ソフトウェア:以下のバージョンをサポートします、それ以前だと動かない可能性

(特にAreionskeyはわいのフォークじゃないとちょっとバグあり)

Misskey v10系→めいすきー 10.102.586-m544

https://github.com/mei23/misskey/releases/tag/10.102.586-m544

Misskey v11系→Areionskey 1.4.0-atsuchan-b2

https://github.com/atsu1125/misskey-v11/releases/tag/1.4.0-atsuchan-b2

Misskey v12系→Misskey 12.117.1

https://github.com/misskey-dev/misskey/releases/tag/12.117.1

オブジェクトストレージのURLをそのまま公開することはせず、

MisskeyをホストしているNginxでリバースプロキシを行います。

そうしないとリージョンが遠くて単純に不利だし、転送量課金なのでなるべくキャッシュして帯域利用量を減らすべきなのです。

Misskeyの設定でオブジェクトストレージを使用するようにすると、

オブジェクトストレージ移行前にアップロードされたファイルはhttps://misskeyのドメイン/filesを読み、

移行後にアップロードされたファイルはhttps://baseUrl/prefixで設定されたURIを読むようになります。

そのためオブジェクトストレージを将来的に廃止した場合や移転した場合は、その画像を投稿した時点のURLを参照し続けるので、そのURLが消滅した時点で404になってしまいます。

しかしリバースプロキシしておけば、URLを変えずにオブジェクトストレージを変更できますし、最悪廃止した場合でも、そのURLでローカルのファイルを読み出すように設定すれば404になることを回避可能です。

Misskeyはファイルシステムに保存している設定からオブジェクトストレージを利用する設定への移行をサポートしていません。

そのためオブジェクトストレージ移行後に/filesに保存されたファイルを消すとドライブから参照できなくなります。

すでに/filesにあるファイルをオブジェクトストレージに上げても見れるようにはなりません。

DB操作してURIを書き換えてもその変更を連合先に反映する手段がないのでよくありません。

VultrのWebからオブジェクトストレージを作成する

Vultrのアカウントにログインしてオブジェクトストレージを追加する。

今はアメリカのニュージャージー州かシンガポールのどちらかを選択できる。

アメリカとシンガポールって、サーバーのリージョンによってすごい差がありそうですねw 私は両方使ってます。たぶん日本にMisskeyサーバーあるならシンガポールの方が読み込み速度が速いです。

Labelは適当に。 ReadyになったらCreate Bucketsでバケット作成する。

このバケット名は同一リージョン内で他のユーザのものを含めユニークである(重複しない)必要があるので、 オリジナル性の高い名前(インスタンス名)とかにするといいんじゃないかしら。

バケット作成できたらそのタブは開きっぱなしにして次に。

オブジェクトストレージのポリシーを設定する

Vultrのオブジェクトストレージはデフォルトだと非公開なので公開できるようにする。

以下のコマンドでまずオブジェクトストレージに繋がるようにする。

s3cmdの使い方については https://www.vultr.com/ja/docs/how-to-use-s3cmd-with-vultr-object-storage を見て。

RHEL系ならdnfかyum, Debian系ならaptで

sudo (apt|dnf) install s3cmd
s3cmd --configure

Access Keyはさっき開きっぱなしにしてたページのAccess Keyを入力

Secret KeyはそのページのSecret Keyを入力

Default RegionはEnter

S3 Endpointはewr1.vultrobjects.comsgp1.vultrobjects.comを入力

DNS-styleは%(bucket)s.ewr1.vultrobjects.com%(bucket)s.sgp1.vultrobjects.comを入力

あとはEnter, Enter, Enter, y+Enter, y+Enterで進む

できたら今度misskey-media_policyってテキストファイルを作成 yourbacketnameは各自の設定したバケット名で置き換え

{
  "Version": "2012-10-17",
  "Statement": [
    {
      "Sid": "AddPerm",
      "Effect": "Allow",
      "Principal": {
        "AWS": "*"
      },
      "Action": "s3:GetObject",
      "Resource": "arn:aws:s3:::yourbacketname/*"
    }
  ]
}

保存して、s3cmd setpolicy misskey-media_policy s3://yourbacketnameを実行

オブジェクトストレージ参照用のプロキシを作る

大きく分けて3パターンの設定方法がある

特に後戻りできないのでよく思慮して欲しい

一番多い新しいサブドメイン等で配信するケース

例:misskey.io: https://s3.arkjp.net/misskey

misskey.dev: https://s3.arkjp.jp/dev

misskey.m544.net: https://misskey-drive2.m544.net/m544

meisskey.one: https://misskey-drive2.m544.net/one

メリット:オブジェクトストレージ専用のNginxとかのプロキシサーバーを置くことができる、ある程度以上の規模のインスタンスではこれを採用しておくのが自然かと

デメリット:サブドメインを取得しないといけない、Cloudflareとかはサブドメインのサブドメインに証明書を発行しないので、うまいサブドメインを考えないといけない手間がかかる

あんまりみたことないけど(わいだけ???)新しいディレクトリを新設して配信するケース

例:mk.shc.kanagawa.jp: https://mk.shc.kanagawa.jp/storage

Pleromaだけどpr.shc.kanagawa.jp: https://pr.shc.kanagawa.jp/storage

メリット:サブドメインを取得しなくてよい、Cloudflareとかはサブドメインのサブドメインに証明書を発行しないわけだし、オブジェクトストレージに移行した後のURIが新しいものとなるので設定は楽?

デメリット:オブジェクトストレージへのプロキシをmisskey Webと同じWebサーバーに置かないといけない、つまりアクセス増加した際に専用のオブジェクトストレージプロキシ用のNginxを用意するとかは不可能になる、Misskey 2024.3.1までのバージョンではサーバーサイドレンダリングにしか対応していないページが、Not foundとなるため、画像のURLを投稿に書くとクリックしても画像に推移できない

一番スマートな既存の配信ディレクトリを置き換えるケース(ダメ)

/filesディレクトリをオブジェクトストレージにプロキシなんてしてはいけない!

理由: https://qiita.com/atsu1125/items/39fa725f6250ba8c7c13

手順

新しいサブドメイン等で配信するケース

ネームサーバーでメディア用プロキシのサブドメインのレコードを作成する

オブジェクトストレージのメディアを参照するためのWebサーバーのアドレスをサブドメインとして登録する。

私はGoogle Domainsなのだけど、ここでmisskeyサーバーと同じアドレスで、s3っていうホスト名のサブドメインのAレコード, AAAAレコードを追加する。s3っていうのはawsで使われる名前ではあるけど、s3互換とか言うし短い名前だからいいんじゃないかしら。

ちなみに全然違うドメインにホストしても構わないからね。

misskey.ioだってs3.arkjp.netでメディア用プロキシをホストしてたりするし

メディア用プロキシのNginx設定ファイルを作成する

そしたらそのメディア用のプロキシのためのNginxの設定ファイルを書いてくよ

私は/etc/nginx/conf.d/s3.yourdomain.confに設定ファイル書いてるけど

各自の運用に合わせて作成してみて

yourdomainを各自のドメイン名で置き換えるのと

proxy_pass の後のURLはyourbacketnameがバケット名なのでさっき作成したバケット名に置き換える。

max_size=20g(20GB)の部分は画像のキャッシュを保存する最大容量なので、Nginxを置くサーバーのストレージに余裕がない場合は減らすことを検討する。max_size=256m(256MB)と書くことも可能

またproxy_cache_pathで保存先を余裕のあるストレージに変えることも可能

RHEL系は

mkdir /var/cache/nginx/proxy_cache_images
chown -R nginx:nginx /var/cache/nginx/proxy_cache_images

Debian系は

mkdir /var/cache/nginx/proxy_cache_images
chown -R www-data:www-data /var/cache/nginx/proxy_cache_images

になるはず

server {
  listen 80;
  listen [::]:80;
  server_name s3.yourdomain;
  location /.well-known/acme-challenge/ { allow all; }
  location / { return 301 https://$host$request_uri; }
}

proxy_cache_path /var/cache/nginx/proxy_cache_images levels=1 keys_zone=images:2m max_size=20g inactive=90d;
  
server {
    listen 443 ssl http2;
    listen [::]:443 ssl http2;
    server_name s3.yourdomain;
    ssl_session_cache shared:ssl_session_cache:10m;

    ssl_protocols TLSv1.2 TLSv1.3;
    ssl_prefer_server_ciphers on;
    ssl_ciphers HIGH:!MEDIUM:!LOW:!aNULL:!NULL:!SHA;

    location / {
      try_files $uri $uri/ @proxy;
    }

    location @proxy {
      proxy_ignore_headers set-cookie;
      proxy_hide_header set-cookie;
      proxy_set_header cookie "";
      proxy_hide_header etag;
      resolver 127.0.0.53 valid=30s ipv6=off;
      proxy_pass https://yourbacketname.ewr1.vultrobjects.com$request_uri; #シンガポールならewr1ではなくsgp1
      expires max;
  proxy_buffering on;
  proxy_cache images;
  proxy_cache_valid 200 302 90d;
  proxy_cache_valid any 5m;
  proxy_ignore_headers Cache-Control Expires;
  proxy_cache_lock on;
  add_header X-Cache $upstream_cache_status;
    }
}

メディア用プロキシのサブドメインのSSL証明書を取得する

先ほどs3っていうホスト名のサブドメイン作ったのでSSL証明書が必要ですね。

今回はcertbotのnginxプラグインで一発で取得しちゃいます。

yourdomainは各自のドメインにしてね。

sudo certbot --nginx -d s3.yourdomain

それで成功したならば、sudo nginx -tで確認してsudo systemctl reload nginxで反映

新しくディレクトリを新設して配信するケース

このケースはMisskey 2024.3.1より後のバージョンで使うことをお勧めします。

Misskey 2024.3.1までのバージョンではサーバーサイドレンダリングにしか対応していないページが、Not foundとなるため、この方法でNginxのプロキシを設定し、オブジェクトストレージにアップした画像のURLを貼ると、/storageのルートが登録されておらず意図しない挙動となる可能性が高いです。以下参照

misskey-dev/misskey#13490

今回はhttps://インスタンスのドメイン/storageっていうディレクトリから配信するようにします。

別にstorageっていう文字列でなくとも構わない、すでにmisskeyにより使われているとこじゃなかったら

現在はhttps://インスタンスのドメイン/filesから配信されていますのでこれを変更します。

RHEL系は

mkdir /var/cache/nginx/proxy_cache_images
chown -R nginx:nginx /var/cache/nginx/proxy_cache_images

Debian系は

mkdir /var/cache/nginx/proxy_cache_images
chown -R www-data:www-data /var/cache/nginx/proxy_cache_images

になるはず

misskeyのNginxファイルに以下追記

まずserverディレクティブの外部に

proxy_cache_path /var/cache/nginx/proxy_cache_images levels=1 keys_zone=images:2m max_size=20g inactive=90d;

max_size=20g(20GB)の部分は画像のキャッシュを保存する最大容量なので、Nginxを置くサーバーのストレージに余裕がない場合は減らすことを検討する。

max_size=256m(256MB)と書くことも可能

またproxy_cache_pathで保存先を余裕のあるストレージに変えることも可能

location /storage/ {
  limit_except GET {
    deny all;
  }

  resolver 127.0.0.53 valid=30s ipv6=off;

  proxy_pass https://バケット名.ewr1.vultrobjects.com/storage/; #シンガポールならewr1ではなくsgp1

  proxy_buffering on;
  proxy_redirect off;
  proxy_http_version 1.1;
  proxy_set_header Host バケット名.ewr1.vultrobjects.com; #シンガポールならewr1ではなくsgp1
  tcp_nodelay on;


  expires max;
  proxy_hide_header etag;
  proxy_hide_header Set-Cookie;
  proxy_ignore_headers Set-Cookie;
  proxy_set_header cookie "";
  proxy_cache images;
  proxy_cache_valid 200 302 90d;
  proxy_cache_valid any 5m;
  proxy_ignore_headers Cache-Control Expires;
  proxy_cache_lock on;
  add_header X-Cache $upstream_cache_status;

  
}
配信ディレクトリ置き換えるケース(してはいけない)

/filesディレクトリをオブジェクトストレージにプロキシなんてしてはいけない!

理由: https://qiita.com/atsu1125/items/39fa725f6250ba8c7c13

これを保存したら sudo nginx -t で設定ファイル確認して大丈夫なら sudo systemctl reload nginx

Nginxのsystemd serviceファイルの編集

Nginxでオブジェクトストレージをプロキシするようにしたのですが、どうやらサーバーを再起動した後にNginxの起動に失敗するようになってしまうケースがあるようです(私がそうだった)
原因としてはNginxがnetwork-online.targetのあとmulti-user.targetで起動するのですが、その際にリンクアップしているもののまだインターネットにつながってないことがあるため、Nginxの起動時にnginx -tを実行してupstreamに接続できないっていうエラーを出してしまうからです。
対策として

systemctl edit --full nginx.service

でNginxのサービスファイルを開いたら、[Service]の中に

Restart=always
RestartSec=5

と追記します。
できたらsystemctl status nginxでエラーが出ていないことを確認してください。
この設定ではNginxのプロセスが何らかの原因で落ちてしまった時に5秒待って再起動するようにしています。
これでインターネットにつながるまで待つことができるので何回目かの再起動にて正常に起動できます。

misskeyの設定ファイルの編集

misskey v10は設定ファイルを以下の要領で編集、misskey v11以降は設定画面より編集

以下の設定値を反映

yourbacketname, youraccesskey, yoursecretkeyは各自の値で置き換え

prefixはオブジェクトストレージのプロキシの配信ディレクトリを/storageとする場合のみstorageにする、他の方々はmisskeyとかdevとかm544とかに設定している…何もつけないことができないので、なんかは設定する、どうしてもつけたくない場合はNginxの設定を工夫すると可能

yourdomainは新しいサブドメイン等から配信する際はそのドメイン名にし、 ディレクトリ新設して配信する場合はインスタンスのドメイン名とする

ここで設定するbaseUrlが連合先にも反映されるため、十分に確認してから本番環境へ展開すること

#drive: #コメントアウト
#  storage: 'fs' #コメントアウト

drive:
  storage: 'minio'
  bucket: yourbacketname
  prefix: storage
  baseUrl: https://yourdomain
  config:
    endPoint: sgp1.vultrobjects.com #ニュージャージーならewr1
    useSSL: true
    accessKey: youraccesskey
    secretKey: yoursecretkey
    setPublicRead: false
    s3ForcePathStyle: true

問題なければ、sudoユーザーに戻りsudo systemctl restart misskeyで再起動し設定ファイルを反映

もしエラーが出るならsudo journalctl -u misskey -fなどで内容を確認

またブラウザからmisskey開いてみて、試しに画像をドライブに投稿してみて、その画像が見えるようになれば、大丈夫

もし出てこないなら何か間違っているので、手順を見直し、投稿した画像のサムネを右クリックして新しいタブで画像を開くで表示されるURLを確認、これがhttps://s3.yourdomain/storageまたはhttps://yourdomain/storageになっているかどうかを見てやる。